- 今回初めて確定申告するけど、会計ソフトはどれがいいのかな?
- Macで使える会計ソフトってどんなのがあるんだろう?
- どれが良いのか比較したい…
Macで青色申告するなら、クラウド型の会計ソフトがお勧めです。
Macに対応した、青色申告ができる会計ソフトは、実質3つ
インストール型の会計ソフトが主流だった数年前までは、Macで利用できる青色申告ソフトの選択肢はほとんどありませんでした。
でも最近になって、使い勝手の良いクラウド型の会計ソフトが出てきたことにより、Macでも使える環境が整ってきました。
インストール型とクラウド型、どっちがいい?
確定申告書作成ソフトで、ここ数年ユーザー数が増えているのが、クラウド型の会計ソフトです。
インストール型は購入時に1回お金を払えば使えますが、税金や法律が改定された際には買い直しやアップデートが必要になります。つまり、コストのほかに手間もかかります。
一方クラウド型は、使い続ける限り毎月(あるいは毎年)利用料が発生しますが、OSを問わず使用でき、また、常に最新のバージョンを使えるので安心です。
Macで使いたいのであれば、なおさらクラウド型がおすすめです。そもそも、Macに対応したインストール型の会計ソフトは数が少なく、使い勝手の面でもクラウド型に軍配が上がります。
Macで確定申告したいなら、おすすめはこの3択
Macで確定申告するなら、実質的に次の3つが候補となります。
クラウド会計ソフトの利用状況調査(*1)によると、「弥生」が57.0%、次いで「freee」が20.6%、「マネーフォワード」が14.8%で、上位3社で92.4%を占めているそうです。
*1 MM総研調べ(2021年4月末時点)数値は法人向けソフトも含む
3社共通の特徴・使える機能
いずれも、Mac対応のクラウド型サービスで、確定申告書作成に必要となる基本的な機能は各社共通しています。主な機能は以下のとおりです。
一度自動連携の設定をすれば、オンラインバンキングやクレジットカードの利用履歴が自動で取り込まれるので、経理作業にかかる手間と時間を大幅に減らせます。この点が、会計ソフトの最大のメリットと言えるのではないでしょうか。
また、自動連携設定をしていれば、明細の照会期間を過ぎてしまい明細が取得できなかったというようなうっかりミスも発生しません。
Macで使える会計ソフトの料金プランを比較
3社とも、使える機能やサービスに応じて3種類のプランを設けています。
マネーフォワード クラウド確定申告
基本料金 | パーソナルミニ | パーソナル | パーソナルプラス |
---|---|---|---|
月払い | 980円 (年額11,760円) | 1,280円 (年額15,360円) | (年払いのみ) |
年払い | 9,600円 (ひと月あたり800円) | 11,760円 (ひと月あたり980円) | 35,760円 (ひと月あたり2,980円) |
仕訳登録が年間50件までならずっと無料で使える『無料登録』プランもあります。ただし、無料登録プランでは確定申告書の作成はできません。
ちなみに、「マネーフォワード クラウド会計」というサービスがあるのですが、「クラウド会計」は法人向けなので注意してください。
クラウド会計ソフト freee会計
基本料金 | スターター | スタンダード | プレミアム |
---|---|---|---|
月払い | 1,180円 (年額14,160円) | 2,380円 (年額28,560円) | (年払いのみ) |
年払い | 11,760円 (ひと月あたり980円) | 23,760円 (ひと月あたり1,980円) | 39,800円 (ひと月あたり3,317円) |
月払いと年払いの2種類の支払い方法があり、年払いの場合2か月分お得になります。
『freee会計』という同じサービス名で法人向けもあるので、契約する際に間違えないように気をつけましょう。
やよいの青色申告オンライン
基本料金 | セルフ | ベーシック | トータル |
---|---|---|---|
年払い | 8,000円 (ひと月あたり667円) | 12,000円 (ひと月あたり1,000円) | 20,000円 (ひと月あたり1,667円) |
「やよいの青色申告オンライン」は月払いはなく、すべてのプランで年払いしかありません。
キャンペーン期間中は、セルフプランは1年間無料、ベーシックプランとトータルプランは初年度半額になります。
プランの違いは操作質問・業務相談ができるかできないかのみで、すべてのプランで同じ機能を使えます。最大2か月間、一部の機能を無料で試せる「無料体験版」もありますが、これは決算・申告機能は利用できません。
なお、「弥生会計オンライン」というサービスもありますが、「弥生会計オンライン」は法人向けで、個人事業主には対応していません。
3社の特徴を、機能別にわかりやすくまとめました
3社それぞれで、使える機能はさまざまです。料金だけ見てもよくわからないので、機能別にわかりやすくまとめてみました。
無料で利用できる期間
マネーフォワード クラウド確定申告
「1ヶ月無料トライアル」なら、「パーソナルプラン」を無料で1ヶ月利用できます。
なお、仕訳登録が年間50件までならずっと無料で使える『無料登録』プランというものもあります。ただし、無料登録プランでは確定申告書の作成はできないので、確定申告書を作成するためには有料プランに切り替える必要があります。
freee会計
最大30日間無料でお試しできます。ただし、無料プランでは、利用できる機能に制限があります。
最大30日間というのは、有料プランを選択した後(クレジットカード情報を登録した後)すぐに、最初の決済手続が行われ、無料期間が終了するしくみだからです。
やよいの青色申告オンライン
セルフプランを1年間無料でお試しできるキャンペーンを実施しています。無料お試しでも全ての機能を使うことができ、確定申告書の作成も可能なのが嬉しいですね。キャンセル料金がかからずに途中解約もできるので、じっくり試せます。
最大2か月間、一部の機能を無料で使える「無料体験版」もありますが、こちらは、「(セルフプランの)1年無料お試し」とは違い、決算・申告機能は利用できません。上記のキャンペーン中であれば、「1年間無料お試し」のほうが断然いいので間違えないようにしてください。
無料で利用できる期間は、マネーフォワードとfreeeが約1か月であるのに対して、弥生は1年間と長いが特徴ですね。無料お試し期間中でも確定申告書の作成ができ、途中解約してもキャンセル料を取られないのはとても魅力的です。
仕訳(取引)入力機能
マネーフォワード クラウド確定申告
4パターンの仕訳登録方法があり、どの入力方法で仕訳登録しても、全て同じ形式の仕訳として保存され、複式簿記として登録されます。
ネットバンクやクレジットカード、電子マネー、ショッピングサイトなどと連携する明細データ自動取得は、2,400以上(2020年5月29日 自社調べ)の金融機関やサービスに対応しています。
freee会計
基本的に「取引」という形式で記帳するようになっており、「専門知識がない人でも記帳ができる」「仕訳形式よりも業務を効率化しやすい」などが特徴。取引として登録された内容は自動で複式簿記の形式に変換・保存されます。
簡単に仕訳入力できるのがウリのひとつなので、「複式簿記がわかる人には使いづらい」というイメージが浸透していますが、freeeでも複式簿記の形式で会計データを登録・参照・出力は可能です。複式簿記に慣れている人でも違和感なく使えます。
やよいの青色申告オンライン
「かんたん取引入力」「通常の仕訳入力」「スマート取引取込」の3種類の方法があります。「かんたん取引入力」は簿記の知識がなくても仕訳入力が可能なので、経理初心者でも安心。「通常の仕訳入力」は借方・貸方のある複式簿記による一般的な仕訳入力です。
一方、「スマート取引取込」は、自分で入力するのではなく、口座連携や外部連携サービスで取引データを取得できる機能です(法人口座2,100件以上を含む、全国3,600件以上の金融機関に対応しています(2020年7月現在)。
電子申告
2021年の確定申告より、青色申告特別控除の金額が55万円に引き下げになりましたが、電子申告を行えば、これまで通り65万円の青色申告特別控除が受けられます。電子申告は必ず行いましょう。
マネーフォワード クラウド確定申告
Windowsのみ電子申告に対応しています。Macでは電子申告できませんが、スマホアプリを使えば可能です。
freee会計
Windowsなら電子申告可能です。Macの場合は、パソコンで作成した確定申告書類を、専用アプリ『freee電子申告アプリ』を介してe-tax上へ申告します。
やよいの青色申告 オンライン
Macには対応していません。ただし、「やよいの青色申告 オンライン」から書き出した申告データを国税庁の「e-Taxソフト(Web版)」に取り込めば、電子申告は可能です。
スマホアプリ
3社ともiOS版とAndroid版のスマホアプリがありますが、使える機能は各社でだいぶ異なります。
マネーフォワード クラウド確定申告
銀行口座等から明細を取得し、簡単に仕訳の登録・確認・編集ができます。銀行口座やクレジットカードとデータ連携の設定をしておけば、仕訳の自動入力もできます。家計簿アプリ「マネーフォワード ME」との連携で家計簿データを利用した入力も可能です。『クラウド経費アプリ』(無料で連携可能)を使用すれば、スマホでレシート撮影・自動仕訳もできます。
また、確定申告書の作成や申告書の印刷、電子申告での提出にも対応しています。
前述のとおり、Mac(パソコン)からだと電子申告はできませんが、スマホアプリを使えば電子申告も可能です(マイナンバーカードとICカード読み取り対応のスマートフォンが必要)。
そのほかにも、口座別残高・口座明細などの確認ができる機能や、キャッシュフローや収益・費用などの経営状況の把握ができる機能も備えています。
freee会計
freeeはスマホ機能が最も充実しています。会計作業はできるだけスマホで済ませたいという人は、freeeは相性が良いでしょう。
スマホでできる主な機能は以下のとおりです。
やよいの青色申告オンライン
やよいのスマホアプリの機能はかなり限定されているため、メインはパソコンでの作業という人に適しています。
スマホでできる機能は以下の3つです。
サポート
手厚いサポートを付けると、その分料金が高くなります。どこまでのサポートが必要なのか、申し込む前によく検討しましょう。
マネーフォワード クラウド確定申告
マネーフォワードは、パーソナルライト、パーソナル、パーソナルプラスの3つの料金プランがあります。メール・チャットサポートはどのプランでも利用できますが、電話でのサポートは、パーソナルプラスプランのみのサービスです。
サポート範囲は「マネーフォワード クラウド確定申告」の操作方法です。どのプランでも経理や税務の相談および他サービスの相談はできません。
freee会計
freeeは、スターター、スタンダード、プレミアムの3つの料金プランがあります。メールとチャットサポートは、どのプランでも利用可能です。スタンダードプランまたはプレミアムプランだと優先対応が受けられます。電話でのサポートは、プレミアムプランのみのサービスです。
さらにプレミアムプランでは、税務調査サポート補償(税務調査が入った時の税理士の無料紹介と、最大50万円までの税理士費用の補償)というサービスが受けられます。これはfreeeにしかない独自のサービスです。
やよいの青色申告オンライン
やよいは、セルフプラン、ベーシックプラン、トータルプランの3つの料金プランがあります。ベーシックプランまたはトータルプランでは電話やメール、チャットで操作サポートサービスを利用できます。画面共有して説明してもらえたり、確定申告時期はメールサポートとチャットサポートの対応時間を延長してくれたりするので安心です。
さらにトータルプランのみですが、仕訳・経理業務・確定申告・消費税改正など関する業務相談もできます。操作についてだけでなく、業務相談も受けられるのは弥生だけのサービスです。
請求書作成
クラウドソーシングで受注していれば必要ありませんが、個人で事業をしているなら、自分で請求書を作成しなければなりません。
マネーフォワード クラウド確定申告
マネーフォワードクラウド確定申告を申し込むと『マネーフォワードクラウド請求書』というサービスも利用できる仕組みになっています。
マネーフォワードクラウド請求書では、見積書・納品書・請求書・領収書は件数無制限で作成できます。ただし、取引先の登録は、パーソナルミニプランでは取引先の登録は上限15件(パーソナルプランまたはパーソナルプラスプランは無制限)です。
また、請求書作成時と入金時には、「マネーフォワード クラウド確定申告」で自動で仕訳が作成されるので、売掛金管理の手間が大幅に削減できます。
freee会計
クラウド会計ソフト freeeの中に、請求書作成が含まれているため、別サービスを利用せずひとつのサービスで完結できます。見積書・納品書・請求書の作成が可能です。定期的な請求書を自動作成したり、メール送付もできます。また、請求内容は自動で帳簿付けされます。
やよいの青色申告オンライン
会計ソフト自体に請求書作成機能はないため、会計ソフトと同じ弥生IDによって利用することができるクラウドソフト『Misoca(ミソカ)』を利用して、見積・納品・請求書を作成します(Misocaを利用するには別途申し込みが必要)。
月間5通までなら無料で請求書が作成でき、メール送信・請求書の自動作成予約、請求書データのCSVアップロードなどの機能も利用可能です。もし5通を超えて利用したい場合は、有料プランの申し込みが必要になります。
消費税申告書作成
課税売上が1,000万円超になると、所得税の確定申告だけではなく消費税の確定申告も必要になります。また2023年からはインボイス制度が導入されるので、免税事業者から課税事業者への変更を検討しているケースもあるでしょう。消費税の申告機能は、各社でサービスに違いがあるので、要注意です。
マネーフォワード クラウド確定申告
マネーフォワードクラウド確定申告には、消費税の集計機能しかなく、消費税申告書の作成機能はありません。消費税申告書を作成するには、別途、税務申告ソフト「達人」と連携が必要です。
なお、パーソナルミニプランでは集計機能がなく、税務申告ソフト「達人」との連携もできません。
freee会計
消費税申告機能はありますが、スタータープランでは利用できないため、消費税の申告書を作成するなら、スタンダードプランまたはプレミアムプランを利用することになります。
やよいの青色申告オンライン
消費税の設定で課税事業者を選択すれば、消費税の確定申告書を作成できます。どの料金プランを利用しても、消費税申告書作成機能が制限されることはありません。
消費税申告機能があるのは、freeeとやよいのみです。freeeは安いプランでは利用できないため、注意が必要です。
まとめ
こうして比較してみると、3社それぞれで特徴があるなぁ、と感じました。
金額は「やよいの青色申告オンライン」が一番安いですね。とはいえ、各社それぞれプランごとに特徴があるので、各社の最安プラン同士を料金で単純比較するのは意味がありません。安くても、自分が必要とする機能がなければ本末転倒です。
「料金」「機能」「操作性」、自分は何を重視するかで選ぶソフトが変わります。そのため、どのソフトが一番良いかは一概に言えません。
3社とも無料期間があるので、気になったソフトをまずは試してみるのがおすすめです。